私は笑うしかなくなった。



「とんだ過保護ですね?
でも、転校はしません。私たちは、この高校を卒業しますよ。
お孫さんのクラスが替われるように、理事長である、私たちの“祖父”に、掛け合って下さい」



「…そうか。優香も優太も、私を祖父と認めないんだな」



「「“認めない”んじゃない。
“認めたくない”んです」」



私たちは車から降りる。

祖父も一緒に降りたけど、私と優太は、振り返る事はなかった。

祖父と一言、二言だけ交わして、私たちに近付いて来た樹に「後で」と告げて、マンションに帰る。