「……ふっ。私たちは、いくら豊嶋姓になっても他人なんです。
ここでお世話になってるだけで、有り難く思ってます。ちゃんと!
だから、優太の旅費は、姉である私が払います。これ以上の義理を作らせないで下さい」



ーーパシン…ッ



「あ、あ、あー兄貴!;;」



樹に失礼な言い方をしたのは、自分でもわかってる。

しかし、まさか殴られるとは思ってなかった。

匠はテーブルに置かれた私の財布に7万をしまおうとした手を止めて、私たちを見てる。

起きて来た縁ちゃんたちや、寝室から戻って来た義母親もみんなもだ。