けど、樹は優太からお金を取り上げ、私に返して来た。



「お袋!優太に7万やってくれ。旅行に行くらしい」



「…え、えぇ」



義母親は、慌てて寝室に走って行く。

義父親は、「いつ、どこに行くんだ?」と、優太に訊いてる。



「私が払いますから、優太に受け取らせる事はありませんけど」



私は返されたお金を、テーブルにバンッと置いた。

匠は呑気に、「うおっ!」と、反応してる。



「子供が遊びに行くのに、親が出さないでどうすんだよッ!!?」



樹がキレて叫ぶ。

でも私は、樹に鼻で笑ってしまった。