涙が止まってからも、しばらく顔は上げられなかった。
子どものように泣き喚く姿を見せたのだ。
何事もなかったかのように笑顔を作って取り繕うことなど、今さらできない。
そう、子どものように。
17歳の私は、もう子どもではないのだろうか。
子どもにも戻れない。
大人にもなりきれない。
私はいったい何なのだろう。
それは大人になる途中、誰もが通る道。
雛が親鳥の真似をして羽ばたけるようになるように、皆、誰かの背を道標にして歩いていくのだろう。
私は一体、なにを頼りに進み、どこへ向かっているのだろう。
その先に待つものが何なのか、誰にもわからない。
それがもし期待はずれだったり、辿り着いたのが優しくない真実だったりしても大きな傷を追わないように、私は予防線を張った。
幾重にも張り巡らせた茨でできたそれは、じわじわと私を締め付け、刺を食い込ませて奥深くまで抉り抜いた。
自分を痛めつけているのは自分自身だと、わかっているのに。