「あら偉いわ。嘉人さんなんて、驚くくらい偏食なのよ。でも、あなたが一緒ならきっと我慢してでも食べそうな気がする。
ああ見えてすごく見栄っ張りだから、今日も朝から張り切っていて、でもそんなことない振りして、あなたのことを待っていたのよ」



そうやって談笑をしていると、叔父と祖母が部屋に戻ってきた。

ごめんなさいねと謝られたけれど、私はなにも言わずにただ微笑んで見せた。





「ああ、そういえば言わなきゃならないことがあるんだ」


叔父はそう突然切り出した。



「実は明後日の夜、うちでパーティーがあるんだ。あまり形式ばったものじゃないが、年度始めということでいろいろとあってそれなりに多くの招待客がいる」

「そうなんですか。私のことはお構いなく・・・・」


きっとそういうものはかなり前から計画してあるものだろうから、私がここに来ることの方が後に決まったのだろう。

ホスト役である長谷川家の人たちが、私の相手などしていられるはずがないから、気にしないでほしいと申し出ようと思った。


けれど、そんな私の言葉を叔父が遮った。