あたしはなんだかその風景が可笑しくなって、笑ってしまった。




「ほら、みんな!水樹ちゃんが困ってるでしょ!」




お母様が葵さん達に言った。




「とにかく姉貴も兄貴も座れよ。落ち着かないだろ」




潤は呆れたように言った。




「はいはい、分かったわよ〜!」




「潤、お前相変わらず偉そうだな〜!!」




そしてみんなでソファに座る。




――ガチャ





誰だろ…
あたしは開いたドアの方を見た。



「あれ?いらっしゃってたのか?亜子〜来てるならそう言ってくれよ」




見ると、そこには潤と葵さんによく似たカッコいい男性。




「あら、ごめんなさい裕太さん…ちょっと忘れちゃってたわ〜♪」



あ、もしかして…潤のお父さん?



裕太さんと呼ばれた男の人は、ソファに腰掛けた。




「父さん、紹介するよ。婚約者の二宮水樹さんだ」




潤は丁寧に紹介してくれた。




「ほう、君が水樹さんか。初めまして。潤の父です」




「初めまして!二宮水樹と申します」




あたしは元気良く挨拶をした。