別荘に帰ってから、犯人が捕まった事を話したら、ヒョンニム(兄さん)もヌナ(姉さん)もソナも皆驚いていた。
翌朝は、朝食をとった後マンスオジサンの運転で西帰浦(ソキポ)警察に遣ってきた。
簡単な手続きで、直ぐにゴルフバッグを受け取り、そのあしでショッピングへと向かった。
友人知人へのお土産と、日本サイドの新星スタッフにもたっぷりとお土産を買った。
それらを、マンスオジサンが端から郵送の手続きをしていってくれた。
昼食を、済州市内にある海の幸料理の店に入って、アワビや鯛の刺身、カルチ(太刀魚)のチゲ等をたらふく食べて別荘に戻ってきた。
ソナも皆も大満足の顔をしていた。
少し昼寝をしてから、夕方からSeoul8も全員集めて20人で海岸でのバーベキューをすることにした。
マンスオジサンが、Seoul8の 安鳳旻(アンポンミン)氏と、 鳳旻氏(ポンミン君)の彼女の鄒尚煕(チュサンヒ)氏を連れて、西帰浦市内にあるスーパーマーケットまで大量の食材を買い出しに行った。
「アッ、マンスオジサンが帰って来ましたよ。」
『皆、食材を取りに行こうぜ!』
と言いながら、体に付いた砂を払いながら、ビーチをかけ上がり、別荘の駐車場に戻ってきたマンスオジサンが運転する車に全員で駆け寄っていった。
「女子、野菜洗って切ってくれ!
Seoul8のメンバーは、この炭をおこして肉と切った野菜をこのブロシェットの串に交互に刺していってくれるかい?
俺は、この魚を三枚に下ろして刺身を作るからな!」
なんか、友植ヒョンニム(ウシク兄さん)が凄くイキイキとして、仕切っていた。
鍋奉行ならぬバーベキュー奉行のようだ。
『チャンスとソナちゃんは、焼おにぎりの準備を宜しくな!』
「は~い。
任せてください。」
ソナ、任せてくださいって、おにぎり握れるのかい?
そんな一抹の不安が頭をよぎったが、心配する事もなく、上手に準備を始めていった。
俺は、醤油に砂糖や酒や一味唐辛子を加えて軽く煮詰めていった。
それをおにぎりに刷毛で塗りながら焼おにぎりが出来上がっていった。
ビーチに水銀灯の照明が四方から差して、辺りが明るく照らし出された頃、バーベキューも焼き上がりおにぎりをつまみながらの食事だ。
済州島の焼酎を飲みながら、鯛の刺身やアワビの刺身を摘まんでいく。
海の方からは自然のBGMが流れ、ミニコンポから流れてくるボブマーリの曲に、素敵なアクセントを加えてくれる。
馬鹿話をしながら、仲間と大声で笑い歌って踊って、学生時代に戻ってきた様な感覚を味わいながら、最後は皆2ショットになって保養所の中に消えていった。
最後に俺とソナで、きちんと鎮火させてから、片付けをしないまま別荘に帰って来た。
ほろ酔い気分で部屋に戻って、ソナと二人でジャグジーに浸かっていたら、窓の外ではマンスオジサンが孫娘の海珠(ヘジュ)ちゃんと一緒にバーベキューの後片付けをしていてくれた。
いつも本当に感謝します。
そんな事を思いながら、ノンビリと半身浴をした後は、部屋に戻って日本のニュースをチェックしたり、メールをチェックしたりしていた。
俺とソナの結婚式が、生放送でひまわりTVから流されたので、ネットニュースでは凄いことになっていた。
それから、翌日発売された月刊誌の【MUSIC LIFE】では、完全独占のスクープ記事として、俺達二人でのインタビューが掲載されていた。
俺が連絡を取り、担当編集者の坂上さんと、相棒のカメラマンの石毛さんに、新星MUSIC日本支社まで来てもらったのだ。
もう4年半以上待って貰った上に、秘密にまでしてもらっていたので、音楽雑誌としては異例の4ページぶち抜きの結婚報告を兼ねたインタビューとなっており、兎に角答えられる質問には殆ど正直に答えてあげた。
最後には担当編集者の坂上さんが、4年半以上も秘密にしておくのが辛かったと本音を漏らした記事になっていた。
それも、ネットでは話題になっており、MUSIC LIFEを読んだ反響は凄かった。
俺と、ソナの顔出し2ショットも話題になっており、MUSIC LIFEの今回の特別号は、通常の5倍もの売り上げを上げたと後で聞いた。