守衛室の防犯カメラの映像を見たがキャディーバッグ置き場にも、正面入り口にも顔は映っていなかった。



だが、車がしっかりと映っていたので、直ぐにゴルフ場から済州警察に連絡を入れてもらい、緊急配備が引かれた。



中文ゴルフ場に済州警察が遣ってきて、盗まれたキャディーバッグの中身を書き出して提出してほしいと言ってきた。



俺達は、それぞれ自分のゴルフクラブ名などを渡された紙に記入していった。



連絡先を書いて、一旦別荘の方に戻ることにした。



別荘に到着したのは、既に夕方の6時を過ぎていた。



『それにしても、ゴルフバッグを盗むかね!』



「全部ネットオークションに流せば、下でも100万円は越えますからね。

特に、U-jin 愛用のだと書けばヌナ(姉さん)のだけでもプレミアが付いてかなりの値段になると思いますからね。」



『それにしても酷い事をする奴が居たもんだな。』



「ですね。」



『オッパ、私達のバッグ戻って来るかなぁ……』



「どうだろう!?

ネームプレート外したら、もう厳しいかもな!

一応届け出たけれども、戻って来る確率は殆ど無いだろうな。」



『マジでムカつくわよね!

チャギヤー(あなた~!)

あのドライバーとアイアンのセットだけでも400万ウォンもしたのよ。

わたしのオリジナルカスタムメイドなのに~、考えたら余計に腹が立ってきたわ!』


「優珍氏(ユジンさん)、落ち着いてください。

どうぞ、ハーブティーでございます。」



『マンスさん、有り難うございます。』



「友植氏(ウシクさん)もどうぞ。

チャンス坊っちゃんも、ソナ様も熱いうちに召し上がれ。」



『どうもありがとうございますマンスさん。』



「そう言えば、マンスオジサンは元々ここ済州島の出身でしたよね!?」



『はい、さようでございます。

何かお知りになりたいことがお有りでしょうか?』



「俺達のゴルフバッグ4人分を、一度に空港から飛行機で本土に運ぶと目立ちますよね?」



『そうですね。

旅行客に扮して、4人で運べば問題ないかと。

それよりは漁船で運べば、もっと安全で楽だし、隠しやすいと思われます。』



なるほど!



マンスオジサンの言う通りだ!



「マンスオジサン、そういったヤバイ仕事を請け負う船ってあるんですか?」



『渡し船遣ってる者は、いちいち荷物のチェックなんかしないで本土に運んでくれますから、ヤバイ仕事をって考えは通らないでしょう。

それよりは、今晩出航する本土行きの渡しを調べたほうが早いかと思われますが!?』



「分かりました。

マンスオジサン、有り難うございます。

ヒョンニム(兄さん)、俺ちょっと出掛けて来ます。

ソナ、留守番しといてな。

警察から何か連絡が有ったら知らせてくれ。」



といって、俺は一人済州島の北海岸に向けて車を走らせた。