昨晩、深夜遅くまで皆で酒盛りして、昼過ぎ迄寝ていたSeoul8のメンバーが、今は1階のラウンジで遅い朝食を取っていた。



「皆、来てたんだ!」



『チャンスさん!

おはようございます。

あ、それから結婚おめでとうございます。』



Seoul8最年長の蘇 潤澤(ソ・ユンテク)だ。



「有り難うございます。

それにしても、遅い朝食だね。

昨日は、遅くまでダンスレッスンしてたの!?」



「な訳無いだろチャンス!

皆で酒盛りだよ。

な、お前ら!?」



『ハイ!

済州(チェジュ)の地元のソジュ(焼酎)が、あまりにも旨いもんで、ついつい皆で飲みすぎました。』



「これからチャンス達と海にでも行こうかって話してたんだけど、皆どうする?」



「彼女さん達も居るから、無理にとは言わないけどね。」



『行きます!

アルコールも抜けた頃だし、泳ぎに来たんですから、泳ぎまくりますよ。』



「安 鳳旻(アン・ポンミン)、彼女達を皆呼んでこいよ!

もう起きてる頃だろ!?」



鳳旻氏(ポンミン君)は、最年少のメンバーで、どこか中性の雰囲気を持った23才だ。



日本に来た時は、皆からアンパンマンって呼ばれていた。



たまたま観た日本のアニメの主人公と、名前の発音が似ていたと言うだけで!



だから、ライブ会場でのメンバー紹介では、鳳旻氏(ポンミン君)の時が一番盛り上がるのだった。



一番背の高い彭 鐵國(ペン・チョルグク)は、リーダー潤澤(ユンテク)と中学からの同級生で、蘇 潤澤(ソ・ユンテク)の1ツ年下の弟の蘇 潤徳(ソ・ユンドク)と3人で弘大(ホンデ)近くの公園で、何時もの様にストリートダンスをしている時に、俺のアボジ(親父)の目に留まったのだ。



まだ高校生だった彼等は、親の同意書を貰って新星MUSICに在籍することとなったのだ。



そして、新星MUSIC本社ビル内の練習場で鳳旻氏(ポンミン君)以外のメンバーと出会ったのだ。



途中、金 勇鎮(キム・ヨンジン)が靭帯損傷で、2度と激しいダンスが踊れなくなり、泣く泣く脱退したのだ。



そのころ、丁度練習生として真面目に新星ダンススクールに通っていた安 鳳旻(アン・ポンミン)に白羽の矢が刺さり、新たなSeoul8としてスタートしたのだ。



Seoul8としては、皆より3年後からのチーム入りだが、愛嬌があるし頑張り屋さんだし、先輩達に負けないくらいダンスが好きだし巧い。



アニメーションダンスに限っては、鳳旻氏(ポンミン君)がSeoul8の中では誰よりも巧いのだ。



そして、脱退した勇鎮(ヨンジン)氏は、何と彼等のマネージャーに成って、一緒に活動しているのだ。



しかし、今回の済州島旅行には参加していない。



唯一の妻帯者であり、今正に産まれようと言う状態なので、奥さんに付き添って産婦人科に居るのだ。