食後は、ソナと一緒に目の前に拡がる砂浜に向かった。



綺麗に手入れされた砂浜は、ゴミ1つ落ちていない。



裸足になって二人で波打ち際を歩く。



思ったより、さほど冷たくない。



これなら、もう泳げるだろう。



クラゲも見当たらない。



沖から汐の香りと共に心地良い風が吹いてきた。



「さて、そろそろ戻るよ!」



『エッ、もう!?

さっき来たばかりじゃないですか。』



「忘れてたけど、友植ヒョンニム(ウシク兄さん)と優珍ヌナ(ユジン姉さん)を迎えに行かなくっちゃ。」



『アッ、そうか。

私も忘れてたわ。

じゃあ、早く戻りましょ♪』



時刻は9時50分



車に乗り込み、ソナと二人で済州国際空港へと向かった。



車を飛ばしたので、丁度仁川からの飛行機が到着した時に済州国際空港に到着した。



『オッパ、飛ばし過ぎだよ!

事故は2度と嫌だからね!』



「分かってるって!

さぁ、丁度仁川からの飛行機が到着したところだよ。」



『それにしても、報道陣が全然居ないね。』



「そりゃ、今回は大変装しているそうだから。

昨晩、ウシク兄さんからLINEでメッセージが入って、

今回はスンゴイ変装して行くから、見つけてみろよ!

だって。」



『何か楽しみ~!

早く出てこないかなぁ~♪』



「もう出てきて目の前に居たりして!」



『まさか!?

荷物を受け取ったりしなきゃいけないから、後数分は出てこないわよ。』



「だよなぁ!

本当に、どんな変装してきたんだろう。

早く見たいぜ。」



『あのカップルじゃないかしら!?』



「ありゃ違うでしょ。どことなく雰囲気は似てるけど、男性の身長が低すぎるでしょ。

ウシク兄さんの身長は、180cm以上有るからね。」



『そっかぁ。

じゃあ、あのギャル男とギャル子は!?』



「いくらなんでも、違うって!

女性の方、背が高過ぎだよ。

ユジン姉さんは、背が高く見えるけど、身長は160cm位だからね。

あのギャル子は、メチャクチャ背が高過ぎだよ。

ギャル男の方、メッチャ背が低いし!」



『なかなか出てこないねぇ!

本当に、この便に乗ってるんですか?』



「それは間違いないよ。

これから済州(チェジュ)行きの飛行機に乗るからな!ってLINEでメッセージが来たんだから。」



いくら探しても見付からない。



もしかしたら、マジで気が付かないで目の前をスルーされたのかも……。



そんなことを思いながらソナは、到着ゲート以外にもグルグルと辺りを見回していた。



俺は、視線を感じてゆっくりと見回す振りをしてぐるっと自分の回りを360度回って見渡した。



感じた視線は、先程のギャル男とギャル子だった。



そっかぁ…なるほど…そう言う事か!



「ソナ、俺はもう見付けたよ。

既にゲートを通過しているから。

探してごらん。」



『エッ、マジですか?

全然分からなかった。

どこだろう?』



「案外、直ぐ近くに居たりして!」



と言うと、



『あ~ぁ!私も分かった。

さぁ、行きましょ!』



と言って俺の腕を掴んで、さっき見掛けたギャル男とギャル子のところへ向かって歩き出した。