「ええ」

ノエルは、心強い彼の言葉を心にしまい、そのまま静かに目を瞑った。

屋根の隙間から、命を終えた星たちが静かに尾を引いて夜空を裂いた。ここは、自分たちの住むところよりもうんと星に近い場所だった。

ノエルとギルを、星たちが包むようにして輝いていた。



次の朝、二人は城を出てただただ歩き続けていた。
灰色の景色は途絶えることなく、二人の前方からめくるめくように迫ってくる。

寂れた農家の集落の畑も、灰をかぶったように色がなく、草木も枯れている。粘土のような風車が、遠くでゆっくりと回っている。