三角形のようなシルエットで、頂上の城を囲むようにして、土台を築くように家々や川や畑などが連なっている。
遠くから見れば、オリオールは一つの巨大な城に見えた。
キャトラは二人を、城の入り口に降ろした。
近くで見ると、やはり何百年もの昔の建物に生気は感じられず、当時の面影と時代の流れをしっかりとそこに蓄積していて、ただ佇んでいた。
巨大なアーチ型の門には、古代文字で何やら書かれていたが、二人には全く分からない言葉だった。
雪の銀世界が広がっていると思いきや、ただ色をなくした建物や木々が辺りを覆っているだけだった。
ここでは木も花も、灰色のような白に染まっていた。それがまた幻想的だった。