胸の中で何かが破裂しそうだった。

期待感と不安と緊張と嬉しさで、ノエルの心は風船のように弾けてしまいそうになっている。

「大丈夫だ」

ギルが大きくて温かい手を、ノエルの手の上に重ねた。

「何も心配はいらない。そのままの心で、受け入れればいい。あとは何もいらない」

キャトラはぐんぐんとスピードを上げて、雲の中を進む。

その時、徐々に二人の目の前が開けた。ようやく雲から脱出した。

「外へ出たわ!」

そこには美しい朝の青空が浮かんでいた。

キャトラが大きく声をあげた。

「ノエル!見ろ!あそこ!」