キャトラは雲をくぐって、大空を優雅に飛んでいる。
「ギル、このまま私たちどこへ行ってしまうの?」
決して遅くはないスピードだが、キャトラの大きな羽はバサッバサッと、重みを増して羽ばたいている。
ノエルのペンダントが、今までにないほどの光を放っていた。
「ねえ、ギル……」
ノエルがギルを振り向くと、彼は微かに震えながら、キャトラの直進方向をずっと見ていた。
「どうしたの」
だがギルは、独り言のように話し始めた。
「……これだ。本当だったんだ。全て、ただの作られた神話じゃなかった。
オリオールは本当に存在する……このデュタ星の近くに」
「えっ」