「これは……伝説の不死鳥、キャトラだわ」

ノエルが真紅の羽を撫でると、キャトラは気持ち良さそうに、美しい声で鳴いた。

「これがキャトラか……!もう絶滅したとばかり思ってた!」

ギルは信じられないという顔で、嬉しそうに叫んだ。

「見ろ、ノエル!」

ギルの指差す方向には、ぐんぐんと近くなってゆくデュタ星があった。

「大きい……そしてなんて眩しいの」

ノエルの目は、数えきられないほどの長い年月において、この世界の羅針盤になっていたデュタ星に釘付けになっていた。

この広い夜空でデュタ星だけが恍惚と輝く姿は、異様な神秘さがあった。