最後にノエルが見たものは、夜空にきらきらと浮かぶ、デュタ星だった。
ノエルがデュタ星を掴むように目を閉じると、コットンのような柔らかいものの上に、ぼすっと落ちた。
それは柔らかく、羽のような感覚だった。
ノエルがそっと目を開けると、上には変わらずデュタ星がきらきらと、一つだけ輝いていた。
「これは……?」
ゆっくり起き上がると、自分は燃える夕日のような深い赤色の羽の上にいることが分かった。
「ノエル!見てみろ!」
興奮したギルの声が聞こえた。
ノエルが不安定な足で立ち上がると、それがすぐに何なのか分かった。
「うわあ……!」
二人が乗っていたのは、巨大な美しい鳥だった。
ノエルは感動しきっていた。