「きゃあっ!」
森を抜けたノエルが、大きな悲鳴をあげた。
「ノエル!?」
ギルは一驚し、スピードをあげて走り、森を抜け、そしてその光の明るさに目が眩んだ。
その明るさに慣れない目は使い物にならなかったが、ギル!見て!と、興奮しきっているノエルの声が鮮明に聞こえた。
「……夢かしら」
ノエルは今度は震えた声でそう言った。ギルはようやく、彼女が何を言っているのか理解できた。
森を抜けた先には緑色の芝生が開け、奥には小さな教会があり、大きな十字架が斜めに地面に突き刺さっている。
そこは確かに色があった。ピンクや黄色の色の花がゆらめき、水色や白色の蝶がふわふわと舞っている。