「俺のことは気にしなくていいから。課題、進めちゃって?」
「……っ」
ダメだ。
私の気持ちは通じそうにない。
「あ、中原先生には言っておいたから、少しくらい遅くなっても大丈夫だよ。」
“王子様スマイル”が向けられる。
普通の女の子だったら、これにコロッといくんだろうけど……
「そうそう。暗くなったらちゃんと送って行くから。
安心して、ゆっくりやっていいよ。」
……送る、だぁ?
冗談じゃない。
そんなことされたら、明日どんな噂が広まるかわからない。
この状況だって、ヤバイのに……
この人、自分のファンの怖さをわかってないよね?
今まで何の関わりもなかった女と、いきなり2人でいたら誤解を招くでしょ?
みんなに平等にやさしくしてるんだろうけど、私は関わりたくないの。
頼むから、放っておいてほしい。
私は、
あんたのことが大嫌いなんだから。