くるみちゃんのおかげで、問題はすべて解決。
何も心配はなくなった。
でも……
「やっぱり、こういうのは必要だよね。」
未だ寝ている彼女の手を取って、鞄から取り出したそれを当ててみる。
うん。似合う似合う。
本当は、ちゃんと起きてるときに渡すつもりだったけど……いいや。
どうせ、突き返されるのがオチだし。
今、付けちゃえ。
細い手首に巻き付けたのは小さな鈴のついた、アジアンテイストのブレスレット。
紐で結ぶタイプで、願いが叶うと切れる……というベタなものだ。
つまり、付けるのは簡単だけど、外すのは難しい。
願いをこめて、ぎゅっときつくきつく結んだ。
……よし。
「……かーわいい。」
カリンについてる首輪は、俺が“ご主人様”って証。
だから、彼女に付けたこれも……
「俺の、って証だからね」
呟いて、
眠っている彼女に、もう一度だけキスをした。