「えっと…浅海さん?」
それって……
震える彼女の肩に手を伸ばした…ものの、
「……ムカつく。」
彼女の口から漏れた言葉に、ピタッと手が止まってしまった。
今度は何?
「なんか、すっごいムカつく!自分でもよくわかんないけど…とにかく、ムカつくっ!!」
叫ぶなり、パッと顔を上げて。
「“合コン”とか、参加してるのがムカつく。」
「いや、それはダイスケが無理矢理…」
「楽しんでたのがムカつく。」
「楽しんでない…よ?」
「他の…私じゃない女の子と、一緒にいたのがムカつく。匂いがつくほどくっついてたかと思うと……」
そこまで言って、
ハッとしたように口をつぐむ彼女。
「これじゃ、まるで……」
口元を押さえたかと思うと、たちまちカアッと顔が赤くなった。
「私……」
……うっわぁ。
コレはヤバイ。
すごく危険。
何?そのウルウルの瞳。
その真っ赤な顔。
極めつけは、
彼女が発した言葉の意味。
「……それって、
“ヤキモチ”だよね?」