急に、ぐいっと後ろに引っ張られて……
気づいたときには、
さっきまでとは別の個室の中にいた。
「な…に……って、えっ?」
振り返れば……
「くるみちゃんっ?」
そこにいたのは、見知った顔。
俺の腕を掴んだまま、いつものように、にこにこ笑顔で俺を見上げていた。
「えっ?なんでくるみちゃんがここに?」
今日は浅海さんと約束があるんじゃ……
「あゆちゃん、“合コン”はどう?楽しんでる?」
俺の質問には答えずに、逆に質問をぶつけてきた。
「え?何で知って……」
「ダイちゃんに聞いちゃった。」
えへって、可愛く笑ってるけど…
心なしか小悪魔チックなのは気のせい?
しかも、“ダイちゃん”って……
「くるみちゃん、ダイスケと知り合いだったの?」
「え?うん。言ってなかったっけ?」
やっぱり、ダイスケのことか。
「ダイちゃんはね、新ちゃんの部活の後輩なの。だから、くるみも結構前から仲良しなんだぁ。」