……へ?



「歩くんって、ウチらの学校でも有名だから。一度、見てみたかったの」



“有名”って…

戸惑う俺のことなど気にせず、カオリちゃんは続ける。



「いやー…でも、こんなに噂通りだとは思わなかった。完璧!まさに“王子様”だよねっ」



そんなに嬉しそうな顔で言われても…

ここは、喜ぶべき?

でもさ、自分の知らないところで噂になってるとか…正直、怖いよね?

芸能人でもあるまいし。



同じ学校の子だとばかり思っていた“カオリちゃん”は、どうやら近くの女子高の生徒らしく。

見慣れない制服姿で現れたときには、結構驚いた。

ついでに言えば、今までのダイスケのタイプとはだいぶ違ってたし。


でも、何より……



「歩くーん。レナ、これ好きなの。歌える?」



俺を“指名した”らしい、このレナちゃん。

さっきから、ずっと…



「ねーえ?」



べったりくっついて離れてくれなくて。


初対面で、何も知らないのに申し訳ないけど、

なんだかすごく



苦手なタイプだ……