「……どこがいいんだ?」



彼女が去った後。

机に伏せたまま、ダイスケはぽつりと呟いた。

そして、



「あんな女のどこがいいんだ?むしろ、本当にあれでいいのか??」



ガバッと起き上がって、
俺の肩を掴んで揺さぶり始めた。



「ちょ…ダイスケ。痛いんだけど…」


「お前には無限の可能性があるだろ?
あんなんで満足するなんて…もったいなさすぎる!」



“あんな”って……



「お前は“女”を知らなすぎる!
もっと周りを見ろ!比較しろ!探求心を忘れるな!」



そんなこと言われても…

意味わかんないし。


それに…



「俺にとっての“女の子”は浅海さんだけだよ?
他の子には興味ないし、知ろうとも思わな…「よし!」



俺の言葉を遮って、なぜか立ち上がるダイスケ。


……何?



「まずは出会いだ。きっかけだ!」


「へっ?」


「今日、行こう。行くべきだ。これは俺のためじゃない。お前のためだ!」