「アンタにそっくり。
思い出したら、もうポチにしか見えなくなったわ。」

「なっ…お前っ!失礼だろ、それ」

「なんで?」

「…っ!」


悔しそうに唇を噛み締めるダイスケと、

冷ややかな目でそれを見つめる彼女。


……うん、確かに。
ダイスケって犬っぽいかも。

浅海さんってば、うまいこと言うなぁ。


感心していたのも束の間。



「外して!」



くるりと振り返って、彼女はさらに俺のほうにケイタイを近づけてきた。


「えー…」



“お揃い”とか、実はひそかに憧れてたんだよね。

ようやくできたのに…そんな簡単には外せない。


うーん…



「じゃあ、後でね?」

「は?」

「後で外してあげる。
ほら、今ダイスケと“大事な話”の途中だし。」


撃沈しているダイスケをちらっと見てから、にっこりと彼女に微笑みかけた。



「えー…」



すっごい不服そうな顔をしてるけど…

もう少し、“お揃い”気分を味あわせてもらおう。