「お前ら、完全に俺の存在忘れてるだろ?」



聞こえてきた声。

……ああっ!そう言えば。



「特に浅海っ!
お前は、人が話してるとこに割り込んでくるなよっ」


かなりご立腹のダイスケ。


「俺たちは今、 男同士で大事な話をしてるんだよ。」


な?って、同意を求めるように俺を見てるけど…そうだっけ?



「それを、そんなちっせーことでギャーギャーと…
今じゃなくていいだろ?ってか、嫌なら黙って捨てとけよっ!」



一気にまくし立てて、
ゼーゼー息を切らして…

そんなムキにならなくても…珍しいなぁ。


でも……



「はあっ?」


これでおとなしくなるような彼女ではない。


「なんでアンタにそんなこと言われなきゃいけないわけ?」


キッとダイスケを睨むと、


「ポチは黙ってて!」


ぴしゃりと言い放った。


「なっ…ポ…って何だよ、それっ」

「昔、うちの近所にいた“柴犬”よ。」

「はあぁっ?」