……そう。
俺には“彼女”がいる。
生まれて初めて好きになった女の子、が。
猫みたいな大きな瞳と
サラサラで艶々の黒髪。
長い手足に白い肌。
バランスのとれたしなやかな身体。
すべてが柔らかくて。
甘くて……
その存在自体が、俺の心を魅了して止まない。
他の女の子となんて遊びたいとも思わないし、
そんな時間があるなら、大好きな彼女と一緒に過ごしたい。
たくさん触れて、
たくさん近づきたい。
ココロもカラダも。
彼女の全部が欲しい。
他の子じゃダメなんだ。
彼女じゃなきゃダメ。
だから……
「ちょっと!」
……ヤバイ。
彼女のことを考えてたら、幻聴まで聞こえてきた。
声も…可愛いんだよねぇ。
「ねぇ、聞いてる?聞こえてる?」
そうそう。そんな顔で……って、アレ?
「ねぇってばっ!」