「今日だけでいいんだ!」



ガバッと、俺の両手を握りしめて懇願するダイスケ。

今までの話、聞いてなかったのかな?



「ってか、カオリちゃんとうまくいったら、もうフラフラしないからっ。」



カオリちゃん…?って言うのが、今日会う女の子?



「“運命”なんだよっ」



本人は必死だけど、俺は同じセリフを何度聞いたかわからない。



「大丈夫。本当に“運命”なら、俺が行かなくてもうまくいくから。」



やんわりと、絡みつく手を振りほどいたものの…



「……カオリちゃんのお友達が、お前をご指名なんだよ。」



ぼそっと呟くダイスケ。



「お前がいないとお友達は来ない。イコール彼女も来ない、だろ?」



はあーっ…

ため息しか出ないよ。

そういうときだけ俺を頼らないでほしい。

それに…



「俺は行かないよ?」


「なんでっ?」


「だって…

“彼女”がいるのに、他の女の子と遊びに行くなんて…オカシイでしょ?」