「だから、あっちこっちフラフラしてないで、ちゃんと“好きな子”を見つけなよ。」


俺みたいに、ね?

思いを込めて、ダイスケの肩をポンと叩いた。

わかってくれたかな?



ダイスケを見れば……

一瞬、ぽかーんと動きが止まったものの、



「な…お前に“恋”について諭されたくないわっ。えっらそーにっ!」



すぐに、カーッと声を張り上げた。

…あれ?逆ギレ?



「だいたい何だよ、射的って?俺がいつ…」



あー、そこ?



「え?だって、昔よく取ってくれたじゃない?縁日とかで。」



小学生くらいのときだったかな?



「はっ?……って、あぁ!
あれは、お前が不細工な猫の貯金箱を見つけて、“欲しい”って泣いて動かなかったからだろうがっ」

「失礼だなぁ。
俺は泣いてないし、あの猫はすっごく可愛かったよ?」



今でもうちのリビングに飾ってあるしね。



「……お前、あの頃から趣味悪かったよな。…って、
そんなことより、放課後だよ!つき合ってくれるよな?」