「ほら、カリン。ここでもう少し寝てな?」
ベットに置いたクッションを“御主人様”がポンポンとすれば、
「ニャッ」
満足気にそこに丸くなる黒いやつ。
さっきまでの形相はどこへやら。
……ったく。
「…さて。浅海さんも、もう少し眠ったほうがいいんじゃない?」
「……へ?」
「身体、まだ熱いよ?」
そう言って、私を覗き込んで来る顔は妙に近い……
「……わっ。な…なんで、私を“抱っこ”してるわけ?」
気がつけば、“王子様”は私を抱き上げていて。
私のほうも、なぜか無意識に抱きついちゃってて……
「だって、あのままにしてたら2人とも止まらないでしょ?」
だからって……
「普通、逆でしょ?
私じゃなくて、あっちをどかしなさいよ」
不満をこめつつ、“下ろしてほしい”と目で訴えてみたものの……
「え?あー…ごめん。
なんか、つい欲望に忠実に動いちゃって。」
人の気持ちを“汲み取る”なんてこと、コイツにできるはずもなく……
「一晩中、触りたいのを我慢してたからさ。」