「はぁっ?な…なんでっ??」


「え?だって、制服のまま寝かせたら、シワになっちゃうじゃない?
熱があるわけだから、汗だってかくし。」


「だ…だからって……」



普通、やるか?


せめて、ブレザーの上着を脱がせるくらいでしょ?


私は今、パジャマの上下をきちんと着てるんだよ?


スカートも…ブラウスまで、ご丁寧にハンガーに掛けてありますよ?


ってことは、間違いなく……



「……見た、よね?」


「え?」


「見たよね?触ったよね?信じらんないっ!」



近くにあった枕を思いっきり投げつけて、私は布団の中にもぐりこんだ。



「わっ…何?なんでそこで怒るの?」



案の定、コイツは何にもわかっちゃいない。


こっちは、心臓はバクバクだし、下がった熱以上に身体が熱くなってきてるって言うのに……


……もぉ、イヤ。



「浅海さん?」



私が被っている布団をそっとめくりながら、



「心配しなくても大丈夫だよ?俺、別に何もしてないし……」



申し訳なさそうに呟く王子。



「……ちょっと触ってみただけだから。」