「なっ……」
真っ赤になってフリーズしてしまった彼女を、再びぎゅっと抱きしめて、
「だから、ほら。
ちゃんと毎日こうしてあげてるでしょ?」
耳元でそっと囁いた。
「……っ」
……よし。おとなしくなった。
修ちゃんも言ってた。
「アイツ、人嫌いのくせに寂しがり屋でさ。
昔から、1人にされると、拗ねるんだよ。」
やっぱりな、って思った。
「それを汲み取ってやりつつ、絶妙な距離を保ってたのが嵐士くんでさ。」
「嵐士くんがいなくなって、甘えるところもなくなって…ますます、取っ付きにくくなっちまった。」
……まさに、猫だ。
構われるのは鬱陶しい。
でも、放っておかれるのは耐えられない。
でも、本人はそれを認めたくないもんだから…ややこしいんだよね。
だけど……
「俺はいつだって傍にいるから。安心して甘えていいよ?」
俺は、それをわかってあげられるから。