今日も補修だった彼女。


俺のほうは珍しく何もなかったから、待ってようかとも思ったんだけど……


もう一回、1人で写真を見ておきたくて。


後ろ髪を引かれつつも、先に帰ったんだ。



……彼女のカバンを持って。




「なんで、私のカバンを持って帰るわけ?」


「え?んー…重いかなぁと思って?」


「はぁっ?」


「どうせ終わったら会うんだし、ついでに持ってっとこうかな、って。」


「はっ?なんで“会う”ことになってるわけ?私、約束なんてしてないけど?」


「浅海さん?そこに約束なんていらないでしょ?
“好き”だったら、一緒にいたいと思うのが当然なんだから。」


「なっ……」



同じクラスだから、とか。


毎日顔を合わせてるんだから、とか。


そんなんじゃダメなんだ。


だって……



「浅海さんは、寂しがり屋のくせに意地っ張りだからさ。

何も言わなくても甘えられるように…俺だってちゃんと考えてるんだよ?」