「なっ…!」
耳元で囁くように言われて、一気に顔が赤くなる。
だから、私は慣れてないんだってば!
「な…なんで?」
さりげなく顔を背けて身体を遠ざけながら、私は声を絞り出した。
「ん?」
「なんで、私を気にするわけ?」
確かに、私は目立つかもしれない。
“問題児”だから。
授業はあまり出ないし、
協調性がないからクラスでも浮いてるし……
“王子様”に群がる女の子たちとは明らかに違うタイプ。
好奇心から興味を持った…とか?
「似てるから。」
「へ?」
「カリンにそっくりだから。」
“カリン”……?
何?
まさかの“恋人発覚”?
って言うか、彼女がいるならこういうことはしないでほしい。
あ…“元カノ”とか?
もしくは叶わない恋?
「“カリン”って……」
「カリンはね、
俺が今まで見てきた中で、一番美人なんだ。
スタイルは抜群だし、綺麗な黒毛で…
猫にしておくのがもったいないくらいだよ。」