そりゃ……
正体はどうあれ、アイツはかなりモテるし。
私がされているようなことを望む女の子がたくさんいることは知っている。
でも……
「風歩ちゃんもさ、そろそろ好きになってきたんじゃないの?」
「……はっ?」
「あれだけ愛情を注がれて、毎日甘い言葉と甘いキスで攻められたら…好きにならないほうがおかしいって。」
「なっ……」
なんで、微妙に核心に触れてるんだ?
「……まぁ、“王子様”のキスは、甘いだけじゃないみたいだけどぉ。」
さっきまでとは一転、意味深に、にやっと笑うくるみ。
「付けてもらうときは、見えないところに、バレないようにやってもらわないとダメだよ?」
「は?」
「“経験者”からのアドバイスです!
特に風歩ちゃんの場合、敵は多いんだから。」
言いながら、私の制服のボタンをきっちり止め上げるくるみ。
……って、“コレ”か?
「やっ…これは…違っ」