「……はっ?愛っ?」



思いっきり顔をしかめる私に、



「そうだよぉ。
風歩ちゃん、自分じゃ気づいてないみたいだけど、めちゃくちゃ愛されてるよ?」



にこにこしながらも、力強く答えるくるみ。

……一体、どこが?



「みんな、羨ましがってるんだよ?なんたって、あの“王子様”のハートを射止めたんだからね」


「そんなこと……」



みんな、騙されてるから言えるんだよ。

あの“変態”の本当の姿を知らないから。

そもそも、つき合ってるわけでもないのに羨ましがられても困る。



「だって、あゆちゃんはみんなの“王子様”だけど、あゆちゃんの“お姫様”は風歩ちゃんだけなんだよ?これってすごいことじゃない?」



なぜか、興奮気味に瞳をキラキラさせているくるみ。



「あゆちゃんが見つめるのも、抱きしめるのもキスするのも、風歩ちゃんだけなんだよ?」

「ちょっ…急に生々しい話になってない?」

「全部“ひとりじめ”だなんて…ファンの子からしたら、もう……お金を出してでも代わりたいと思うはずだよ?」