持っていたお弁当の巾着を握り締めた。




もう



持っていけないよ



またあの



怖い眼差しで



見られるのは



もうウンザリだよ……





帰ろう。




それが今は、一番良いはず




教室に帰って、



海斗たちと一緒に




お弁当を食べよう。





走ってその場から逃げる



逃げる事しかできない私に、いつもウンザリする。




だけど




私には



逃げることしかできないんだ。




もう、




それ以上のことは、



出来ないよ………





教室に入ったが、みんなはふつうに接してくれた。




さっきのこと、

知られてないのかな?



そう思うと一安心で、少し楽になった。




明日になれば





あの騒ぎは





忘れられている。





私は





そう思っていた。





だから、





後先の心配なんて、








一度もしなかった。