口を開いたのは棗だった。



「ひでーよ暢さん…俺マジで言ってんのに」



「あ…すまん棗!コイツの過去を色々と知る俺としてはやっぱりな…」



「あぁ解るから大丈夫…」



そう言って劉兒にチラリと目線をやる棗。



「ん?なんだよ2人して…過去なんてどうでもいいんだよ!」



「いや…実際酷かったから…まっ今まで我慢してきたユウリちゃんに感謝するんだな」



「何だよ我慢って!ユウリは幸せに決まってんだろ」



「誰も幸せじゃないなんて言ってないだろーが」



ぎゃあぎゃあ五月蝿い大人達をよそに、さっさと仕事を終えた棗と修一。



「俺達かえっから」



「「えっ?!」」



劉兒と暢は、2人同時に棗に顔を向けた。