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あたしは…ドキドキを抑えながら、

教卓の真ん前の席から廊下側の最後尾の直江くんを見た。




直江くんは机に突っ伏したまま・・・。


・・かと思ったら、急に顔だけを上げて
あたしの方をバッと見る。



直江くんのキリっとした目にあたしは・・・


射抜かれた。




「俺の女になれ」って本気?・・な訳ないか。


でも。


ギュウって抱きしめられて、嫌な気はしなかった。




なんだろ・・・


とても変な気持ち・・・


直江くんに「俺の女になれ」って言われて、思わず
「はい・・」って言いそうだったし。


直江くん、絶対ドSだよね。




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ホームルームが終わり、教室移動。


あたしは、後ろの席の真田くんと、
プレイボーイ丸出しの上杉くんと教室を出ようとした。



直江くんの席の横を通った時、ガシッッ!!と腕を掴まれた。



「きゃっ!!」



掴んだ相手は直江くん。

腕を掴まれたまま、あたしを直視してくる。



あぁ・・・



その視線反則だってば・・。

胸の奥がキューーンとする。




「な、なに?直江くん・・」


「お前・・・次の授業俺とサボレ」


「・・へ?」


「俺と授業サボレ!返事!」


視線を全く外さないで言われたら・・・


「は・・・い・・・」


ってしか言えないじゃん。





あたしたちの様子を見ていた上杉くんと真田くんは、
顔を見合わせて驚いていた。