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あたしは…ドキドキを抑えながら、
教卓の真ん前の席から、真後ろの真田くんを見た。
「キャッ!!」
あたしは思わず軽く悲鳴をあげてしまう。
振り返ると、頬杖をついた真田くんの顔が目の前にあったから…
「琴女、近くで見てもやっぱり可愛いな♪」
真田くんは、こういうの平気なの?!
「もぉ!!ビックリするじゃない!!」
あたしは耳がジンジンするくらい顔を赤くして言った。
「急に振り向いたのは琴女ぢゃん?」
真田くんはイシシっと悪戯っ子みたいに笑った。
−−その顔にキュンとした−−
母性本能をくすぐられるような…
なんとも言えない感覚…
無意識に真田くんの頭をよしよししてしまう…
「あ〜〜〜!!そこの二人!!いちゃつくの禁止!!」
窓際の最後尾の上杉くんの一言で我にかえった。
な、何してんの?!?!あたし!!
バッと前を向き、熱くなっ顔を両手で覆う。
真田くんがいけないんだからっ!!!
…てか…
後ろからバシバシ視線感じるんですけど…
あたし霊感も超能力も持ち合わせてないのに…
めちゃくちゃ背中が熱い気がする。
…とりあえず…後ろを振り向かずに席を離れよう。
そう思って、いすから立ち上がろとしたけど、いすが全く動かない…
へ?!?!
振り返ると、真田くんがあたしのいすのすぐ後ろにまで机ごと接近中…
「ちょっ、ちょっと!真田くん!!いす…引けないんだけど…」
「だって琴女が逃げちゃう気がして♪」
真田くんは頬杖をついたまま言う。
「…逃げないから、ちょっと廊下行かせて?」
…学校なんだし逃げれる訳ないじゃん。
「しゃーねーなぁ♪」
そう言いながら自分の机を下げてくれた。