駅まで二人で歩く。
駅の改札に立っていたちょっと派手目な女の子が、
「遼っ!!」…と上杉くんに駆け寄る。
その女の子は、あたしと繋がれた手、次にあたしの顔…そしてあたしの全体を見て、明らかに怪訝な顔をする。
「…なんで最近電話出てくんないの?
…ってか誰?コレ」
…コレ?
一瞬、あたしの顔がピキッとなる。
上杉くんは、あたしの顔をチラっと見て、その女の子に言った。
「電話に出ないのは、話す事がないから。
…で、この子はモノじゃないんだから、《コレ》って言ったの、言い直してくれる?」
女の子はムッとしてまたあたしを見る。
「この人は誰?
遼のなんなの??」
上杉くんは、クスっと笑って言った。
「この子が俺の何なのか…本人に直接聞いてみてもらえる?
俺も知りたいから♪」
「「は?!?!」」
「う、上杉くん?!何言って…」
その女の子はあたしに向かって一歩前に出てきて興奮気味に言った。
「じゃぁ聞くけど。あんた、遼のなんなの?!」
…そんなのあたしが聞きたいんだけど?
チラっと上杉くんを見ると、真剣な顔であたしを見つめていた。
あたしは…
上杉くんの…何?
友達?
彼女?
友達以上恋人未満の微妙な関係…
それでいい?
あたしは…
上杉くんの事が好き。