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その日から上杉くんが変わった。



また前みたいに、お昼ご飯はあたしと二人で教室で食べている。



食事の途中で席を立つ事はなくなった。



電話は相変わらず、あたしのお弁当が半分になった頃にかかってきている。


でも上杉くんは出ない。




「…電話いいの?」



ちょっと気になるから聞いてみる。



「いいの×2♪」



「いいなら…いいんだけど。」



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学校帰り。


あたしと上杉くんが一緒に帰るのも当たり前になった。


学校では相変わらず、冷やかされるけど…
嫌な気はしない。


教室を出て、あたしは上杉くんの左側を歩く。

上杉くんはあたしに視線を落としながら、あたしの歩幅に合わせて歩いてくれる。


学校を出ると、自然にあたしの右手からバッグを取り、持ってくれる。



初め、あたしは「女の子のバッグを男の子に持たせるなんて出来ない」と言ったんだけど、


「右手が塞がってたら、手が繋げないでしょ?」


と、上杉くん持論で丸め込まれた。



手を繋ぐって行為がくすぐったい。



《友達同士》って手を繋ぐっけ?



多分…あたしたちは《友達同士》ではない。



「好きになっちゃいそ…」

とは言われたけど、《彼氏彼女》ではない。




《付き合おう》って言葉がないから、曖昧な関係が続いていて…




正直、どこまで、どう接していいのかわかんない。



《おやすみ》のメールはしていいの?


《声が聞きたかった》って電話していいの?





あたしはあなたの何??