「えっ?!」
上杉くんの驚いた声で、ハッと気づく。
…ゲッ!あたし、声に出しちゃってた…
「いや…あの…ほらっ!カラオケ行ったり、バッティングセンター行ったりして…気を紛らわすとか!!
あたしも一緒に付き合うし!!」
あたしは顔を真っ赤にしながら身振り手振り、必死に弁解じみた事を言った。
「ありがと♪琴女ちゃん♪」
上杉くんは優しく笑う。
「…にしても。
俺的には…今の状況がとても辛いんだけどね」
「え?!まだ悩みあるの?!」
上杉くんは少し考えるような素振りをして、あたしの肩をギュッと引き寄せた。
あたしの耳に微かに触れる唇…
耳元で聞こえる声…
「…ここ、ラブホだよ?
おまけにベッドの上…
しかも抱きしめてる…
俺的には理性との闘いなんだけど?」
あたしは、バッと上杉くんから離れた。
「クスクス…琴女ちゃんには何もしないよ?」
「…うぅ…」
「でも……ちょっとおいで♪」
あたしはまた上杉くんに引き寄せられる。
「何もしないよ?
……今はね」
そう言って、
上杉くんはあたしに優しい優しいキスをした。
唇が離れ、ギュッと抱きしめられる。
「…好きになっちゃいそ…」
あたしも…
これはあたしの心の声…
あたしはそっと上杉くんの背中に腕をまわした。
上杉くんはまたあたしをギュッと抱きしめた。