「そういうのかなりウザイよ?」






あたしは頭の先から足の先まで一気に冷えていくのを感じた。





「だったらさ、琴女ちゃんが忘れさせてくれない?」




上杉くんひそう言って、あたしの腕を力いっぱい掴み、店の外に連れ出した。





にぎやかな繁華街を抜け、違う雰囲気の繁華街に着く。



「や、ヤダっ!!離して!!」



あたしは上杉くんの手を振り払おうとするけど、
男の子には勝てる訳がない…



そのままあたしはホテルに連れていかれた。



上杉くんは手慣れた様子で、部屋番号を押し、エレベーターにあたしを押し込む。



エレベーターを降り、ランプが点滅しているドアを見つけ、ドアを開けてあたしを中に引っ張りこんだ。



「上杉くん!!!ヤダっ!!」




上杉くんはあたしの声なんて聞いてくれない。




気が付けば、あたしはベッドに押し倒され、目の前には無機質な目をした上杉くんの顔があった。




上杉くんは何も言葉を発しない。




「ヤダ…やめてよ…こんなの」




「忘れさせてくれるんでしょ?」






そう言って上杉くんはあたしに強引にキスをした…





…こんなのヤダ…





ギュッと目をとじた瞬間、
急に身体が軽くなる。






上杉くんはあたしに跨がったまま、あたしの目尻をそっと撫でた。






「泣かせてゴメン…

怖がらせてゴメン…ね」





さっきとは違い、上杉くんは優しくあたしにキスをした…