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「琴女ちゃん♪昨日はごめんね!」



あたしが教室に入るなり、上杉くんが寄ってくる。


「次は絶対約束守るから♪」


上杉くんはあたしの髪の毛をサラっと後ろに流して言った。



…う゛…。髪の毛触るのとか反則…



でも、あたしは決心したし…。


「上杉くん、携帯貸して?」

あたしは上杉くんに負けないくらいの笑顔を向けた。



「え?…あぁ…はい」


すんなり渡すじゃん。



そしてあたしは上杉くんの携帯の中のあたしのメモリーを躊躇う事なく消した。



「はい」


あたしは携帯を手渡し、上杉くんには見向きもしないで、
真田くんと昨日のお笑いのテレビで盛り上がった。



上杉くんは、あたしのメモリーを消去された事に気付き、

「あぁぁぁぁ!琴女ちゃんのメモリーがないっっ!!!!
俺のコレクションがぁぁ!!」

と叫ぶ。



…コレクション…?
信じらんないっっ!!!



「ちょっとっ!!!上杉くん!!コレクションって?!
あたしもだけど、女の子は物じゃないんだからね?!」



あたしは上杉くんに向かって怒鳴った。



上杉くんは、ハッとした表情であたしを見つめる。




「…愛にも同じ事言われた…」




上杉くんはボソッと呟いた。