その日から、上杉くんは毎日あたしとお昼ご飯を一緒に食べてくれるようになった。



あたしはお弁当、上杉くんはパン3つ。



「毎日パンばかりで飽きない?」



「ん〜あんまり飽きないかな…
女の子はすぐに飽きちゃうけど♪」



よくはっきり言えるなぁ…
ここまで自分ではっきり言えるのはアッパレだね。



「…上杉くんは彼女いないの?」



上杉くんはあたしの問いに一瞬顔を曇らせたけど、



「彼女はいないよ?」




と、またいつもの笑顔をあたしにむけた。




−−−♪♪♪♪♪♪−−−


「あ…ごめん。電話だ♪」


「ごゆっくり…」



「もしもし♪奈美ちゃん??」


毎日電話の相手が違う。


上杉くんは電話をしながら教室を出て行った。




あたしはお弁当を半分残して蓋をした。



上杉くんとお昼ご飯を一緒に食べるようになってから、お弁当を半分残すようになった。



上杉くんが電話しに教室を出て行くと、急に食欲がなくなるから…


それがいつもお弁当半分…



何?

相手の女の子たちはあたしに《お弁当半分ダイエット》させてるの?





ふぅ…



嫌な気分…





「あれ?琴女ちゃんもう食べたの?よく噛んで食べないと太るよ?」



電話から戻った上杉くんはまたニッコリ。



…《お弁当半分ダイエット》させられてるんですけど?




「あ!琴女ちゃん♪今日一緒に帰らない??」




ふいな発言にあたしは無意識に



「うん…」




「決まりだね♪」




あぁ…


あたし、やっぱりこの笑顔が好き…