そうして、私は裕樹と一緒に荒谷産婦人科に行った。 「産婦人科って・・初めて来たかも、俺」 「えっ!?そうだっけ?」 産婦人科に着き、入口の前で裕樹がぽつりと言った。 やっぱり、産婦人科というのは独特の雰囲気があってなかなか入りにくい。 「裕樹っさぁ、入るよ!!菜々子を安心させてあげなきゃ」 「おっ・・おぉ、そうだよな!」 明るい声を出して裕樹を安心させる。 早く―――・・・菜々子の顔が見たくてしょうがなかった。 でも、この先に待ち受けている運命に私達はまだ知りもしなかったんだ。