「瑠璃はあの人が好き?」
真っ直ぐ伸びてきたその曲がり角のない質問に、あたしの口が開いては小さく言葉が飛び出した。
「……………………好き」
それは流れるように、誘導されるようにして出た言葉だった。
あたしは俯いたまま顔が上げられないでいる。
それでも美沙があたしのことを見ているんであろう、視線を感じ取ることが出来る。
「会いに行ってくればいいんじゃない?」
その質問に、今度は言葉は出さずに小さく首を左右に振った。
会いたい。
会えない。
だってどんな顔をしたらいいのか分からない。
「どうしてそんなに辛そうなの…?」
窓の外を見つめる瑠璃の表情は悲しそうで辛そうだった、と美沙は小さく呟く。