言葉を捜し続けるあたしは俯いて足元を見つめることしかできない。



何を言葉にすればいいのだろう。


どうやって言葉にすればいいのだろう。



あたしの〝好き〟は、友達同士でキャッキャしながら語ることができる〝好き〟ではない。



ただのそこらにいる年上の人ならまだいいだろう。


でも現実は違う。



あたしの好きになった人は――――




「だいたいおかしいとは思ったんだけどね」



「…?」



「瑠璃が寝不足、なんて」



足取りが少し危うかったのか、美沙はあたしを階段に座らせながら穏やかに笑って言う。


美沙はあたしの隣に座ると、あたしを見ながら言葉を続ける。



「あたしを騙せると思うなよ」



にやりと笑いながらそう言った。