「あらあら全く…騒いでいるから熱が余計に上がったんじゃない?」
先生は体温計に記された37.8という電子文字を見つめながら、怒っているというよりは呆れているといった表情で言った。
ガミガミと言い合っていた時は分からなかったけれど、確かにさっきまでなかった悪寒のようなものがしてきた。
やっぱり頭も痛いし体もダルイかもしれない…。
あたしはうらめしやーの表情で美沙を見つめる。
「美沙のせいだ」
「ご…ごめん」
「ぷぷぷー嘘。お互い様だ」
そう言って笑って見せれば美沙も笑った。
デコピンをされたからやり返す。
そんなくだらないやりとりを見つめる先生も、やっぱり呆れたように笑っていた。
けれどそんなくだらないやり取りが楽しくて。
ほおっておけば止まらないと感じ取ったのか先生はあたしの目の前に紙を突きつけた。