「やっと起きたっ」


カーテンを握ったままの状態で笑顔の美沙がそこにいる。


にっこりと笑っていたけれど、次の瞬間にはため息を吐き出しそうな顔に変わっていた。



「あなたねぇいつまで寝てる気? もう昼休みだよ」



「え?!」



熟睡なんてする気はなかったのに、どうやらしてしまったようだ。


けれどそのおかげなのか、頭痛は少し治まっていた。



美沙はカーテンを開けっ放しにしたまま、さっき深谷が座っていたベット脇の椅子に腰掛けた。



「体調はどうよ?」



「うん、だいぶ良くなったかな」



「それは良かった。熟睡したかいがあったんじゃない?」



「…そうかもね」



恥ずかしい。


絶対寝顔を見られたと思う。



涎垂らしていたらどうしよう…なんて考えて焦る。